4) 需要創出への努力
西暦2000年以降の新造船需要、修繕需要の伸び悩みは、深刻である。一般的に競争力の強い中国、四国、九州地域の造船業との競争の中で兵庫県の中小造船業が安定した経営を確保するためには、新たな需要の創出に積極的に取組まなければならない。そのためには、顧客との接触を密にすることで顧客ニーズを的確に把握するとともに、そのニーズを満たすための技術面、コスト面での体制を強化しなければならない。
モーダルシフトの動向の把握(内航船の新造、修繕需要への影響)やテクノスーパーライナー、メガフロートなどの新しい技術や工法等の動向も注目しておく必要がある。
都市に立地する造船事業者では、プレジャーボートなど海洋性レクリエーションに対する都市に居住する消費者ニーズの把握なども新たな需要創出にとって重要であろう。
また、当面の仕事量の確保のために、大手からのブロック製造の受注やこれまでつちかってきた造船分野での技術力やノウハウを生かした多角化を図る努力も続ける必要があろう。
さらに、国内市場にとどまらず、海外市場への展開も能力及び体力のある企業は検討する必要があろう。ただし、海外市場向けの輸出については、取引経験の乏しい事業者が多いため、商社等との連携体制や中小造船事業者が共同で交渉するといった方策も必要であろう。また、既に数多くの実績を持つ大手造船所の援助も助けとなるであろう。
需要創出のためには、以下の方策が考えられる。