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(2)海域別経時変化

 

表-4-2には1996年の日本沿岸に来襲した代表気象擾乱の一覧表を示す。これによると、1〜3月の低気圧、7〜10月の台風、11〜12月の低気圧および冬型気圧配置によって高波が出現していることがわかる。そこで、この中から全体に波高が高かった3、10、12月のm0、m0Lおよびm0L/m0の経時変化図を海域別に図-4-6に示した。

 

?日本海・東シナ海沿岸域における経時変化

日本海沿岸域でのm0Lの経時変化の特性としては、北部の留萌では不規則にm0Lが大きく増加する現象が出現しているのに対し、その他の地点では急激な変動は少なく、m0の変動と同調した3、4日の周期で変動していることがわかる。

一方東シナ海沿岸域におけるm0Lの経時変化の特性としては、6日程度の周期で変動しているようであるが、日本海沿岸の地点と比較すると、その変動幅は小さい。またm0L/m0は、各地点とも0.01程度付近で変動している。

 

?太平洋北東岸における経時変化

太平洋北東岸におけるm0Lの経時変化の特性としては、10日程度の変動と3日程度の変動が重なったような特徴が見られる。m0L/m0はヽ各地点とも0.01程度付近で変動している。

 

?東京湾日および太平洋南西岸における経時変化

東京湾口に位置する波浮では常時m0Lは0.001程度あり、東京湾内のアシカ島ではそれより1桁低くなり、港研ではさらに1桁低い値となっている。港研構内ではt潮位変動に伴なったものと考えられる1日2回の周期変動が見られる。

m0L/m0は、波浮とアシカ島で0.001程度付近で変動しているのに対し、港研構内では0.1程度と大きくなっている。

 

(3)長周期波バンドエネルギーの時系列

 

高波浪時における長周期波のバンドエネルギーの時間変化図を図-4-7に示した。日本海沿岸域は3月14日から3月16日、太平洋南西岸は12月4日から12月6日に高波浪となったケースを対象とした。

図-4-8で示されるように、長周期波のバンドエネルギーは比較的安定し、波高の増大とともに大きくなる傾向を示し、長周期波のバンドエネルギーは長周期波を表すパラメータとして用いられるものと考える。

 

 

 

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