第3章 長周期波による船体動揺の実態調査
3.1 アンケート調査
長周期波が港湾に侵入した際に係留船舶の動揺にどの様な影響を与えているかを把握するために、日本全国58ヶ所のバースマスターまたはバース管理者に対して、バース毎に係留船舶の係留・荷役等の支障等について実態調査を行った。
特に、係留船舶の荷役に障害を及ぼすと言われている周期1〜2分程度の振動(長周期波)がどのバースで問題となっているか、それによってどのような支障が生じているか、そのときの気象・海象条件を調査した。また、係留船舶の安全対策、係留船舶の支障についての問題点や意見、より有効な波浪情報の提供について質問した。
本アンケートは1バースにつき1アンケートで行った。回答者が複数のバースを担当している場合は、顕著な問題のある(支障のある)バースについて質問した。問題となっているバースが複数ある場合、バース毎に答えてもらった。
3.1.1 アンケート調査内容
アンケート調査は、以下の内容で行った。
?回答者の組織名・部署名
?回答対象港名・バース名、年間入港隻数、年間の係留・荷役障害件数
?係留・荷役障害の事例
?障害の種類別頻度
?荷役限界波高
?係留船舶の安全対策
?波浪情報のあり方
?係留船舶の支障等についての問題点・意見
アンケート内容を表3-1(1)〜表3-1(4)に示す。
3.1.2 アンケート先
アンケート調査は、外洋に面した全国58ヶ所の石油、電力、穀物、鉱石等の港のバースマスターまたは港湾管理者に対して行い、43ヶ所から回答を得た。回答を得た地点を図3-1に示す。