(4) 再帰日数
RADARSAT衛星自体の回帰日数は24日であるが、レーダビームの方向を変化させるポインティング機能によってより短い周期で同一地点を観測することが可能である。日本付近の緯度ではFineビームモードで3〜8日、その他のモード(Standard, Wide, ScanSAR)では2〜4日となっている。
(5) サービスレベル
RADARSATのデータ取得には、既に取得されている画像をカタログから検索して購入する「カタログサーチ」と新規にデータを取得するために衛星システムにプログラミングを行う「プログラミングリクエスト」がある。
プログラミングリクエストには緊急性によって3つのレベルがある。
・ アージェント
最初の取得可能な機会に取得される。
・ プライオリティ
データ取得希望日の7日前までに注文する必要がある。商用目的の注文中で最優先される。
・ べーシック
データ取得希望日の14日前までに注文する必要がある。他のサービスの方が優先される場合がある。
また、データ処理についても処理時間によって3種類の製品が提供されている。
・ 準リアルタイム
RADARSAT処理センターにデータが到着後数時間以内に処理される。
・ ラッシュ
RADARSAT処理センターにデータが到着後48時間以内に処理される。
・ レギュラー
RADARSAT処理センターにデータが到着後14日以内に処理される。
データの配布については、CD-ROM等による国際宅配便サービスの他、ネットワーク経由(ファイル転送)でデータの配布を受けることも可能である。
(6) 購入した画像の諸元
購入した画像の位置を図3に示すとともに、画像を図4に示した。
なお、本画像は下降軌道(Descending)時の撮影であり、衛星はやや西向きに北から南に向かって画像の東を飛行している。レーダビームは衛星の進行方向右側に照射されており、画像の右(東側)から当たる形となっている。また、処理レベルがパスイメージであるため画像は北方向から約8°傾いている。

同日は日本のJERS-1の撮影も予定されており、第一管区海上保安本部による流氷パトロール飛行も計画されていたが、JERS-1は不調のため撮影できず、悪天候のためパトロール飛行も中止された。このため対象とする画像はRADARSATの画像1枚となり、現地観察の結果も得られなかった。