小名浜(おなはま)港(海図63)
(特定港、重要港湾、開港、検疫港、出入国港)
背後に常磐及び郡山の工業地帯を控え、港湾及び付近の高速道路網の整備に伴って商工業港としての価値を高めている。
入出港船舶は100t〜3.000tの内航商船や500t未満のその他の船舶が多く、取扱貨物は鉱産日に次いで化学工業品が多い。
金華山と犬吠埼とのほぼ中央にある漁業基地で近海・遠洋漁船の出入が多く、特に3月〜5月のサバ漁期及び11月、12月のサンマ漁期に多く、1号埠頭東側の漁港区が利用されている。
西部の剣浜地区にマリーナが整備され、さらに海洋性レクリエーション基地の整備が進められている。また、1・2号埠頭地区を再開発して、商業・文化交流等の機能を備えた施設や旅客船埠頭等を整備する計画や、第1西防波堤の東側に大規模なポートアイランド計画がある。
気象 北及び南寄りの風が多いが、強風は北北西及び南南西が多い。
霧は5月からしだいに多くなり、7月が最盛期で同平均11日に及ぶが、9月になれば少なくなる。
沖合で発生した海霧が夜半から早朝の弱い東〜南の風によって港の南西方面に来襲し、太陽が上がり始めて北風が吹くと消散するのが通例である。
海象 防波堤の外側では、上げ潮流は南方へ、下げ潮流は北方へ流れ、ほぼ高・低潮時に転流し、流速は0.5knを超えない。防波堤の内側では流速は微弱である。
目標 湯岳 三埼の北西方15km、高さ594m。
富士山 〃 5 km、高さ104m。
5無線塔 三埼の北北東方2km、漁業無線局、銀色塗。
3煙突 小浜鼻の西方2.5km、1本は高さ202mで灰色塗、他の2本は赤白塗。
大津押 港の南西方約7M、高さ40mの崖の岬で灯台がある。
険礁 三埼付近の岩礁域及び三埼波除堤西方の傘磯。
障害物 沖防波堤灯台の南西方1M付近に漁網が多数ある。
注意 台風などの偏南風の強吹時には波浪が防波堤を越えて進入し、港内の施設や船舶に被害を及ぼしたことがある。また、台風の来襲時には、第1西防波堤と埠頭との間に漁船が、第2西防波堤と藤原埠頭との間に一般船舶が避泊のため集中するので注意を要する。
航泊制限 港内における引火事故を防止するため、船舶は港内に停泊中の引火性危険物積載タンカー(タンク船を含む)から30m以内の海面に立ち入ってはならない。ただし、特に港長の許可を受けた船舶はこの限りでない。なお、「引火性危険物積域タンカーは港内に停泊中夜間においても視認できる。引火性危険物積載中」の標識を掲揚する。
異常気象対策 台風その他異常気象による災害を防止するため、小名浜港安全対策協議会が設置されており、気象情報の伝達・船舶の避難等について検討する(問合わせ先:小名浜海上保安部)。
補給 水・燃料油・氷の補給ができる。各埠頭に給水口が、また給油船がある。
修理 小造船所(上架能力250t級)がある。潜水業者がいる。
その他 小名浜海上保安部(港長)(別掲)・小名浜海運支局(?0246-54-2311)
小名浜税関支署(?0246-92-5151)・検疫所小名浜出張所(?0246-92-3213)
小名浜港湾建設事務所(?0246-56-0331)・小名浜海員会館(?0246-54-9244)
小名浜漁協(?0246-92-5114)