八戸(はちのへ)港(海図65)
(特定港、重要港湾、開港、検疫港、出入国港、特定第3種漁港)
尻屋崎〜宮古湾間で唯一の大型船の出入りできる港で、背後の八戸市は青森県唯一の近代工業都市であるとともに、三陸沖の好漁場を控えた大漁業基地でもある。
港の東部から順に次の通称がある。
鮫地区→第1漁港区 鮫地区の一部・白銀地区→商港区 館鼻地区→第3漁港
湊地区・小中野地区の一部→第2漁港区 旧馬渕川一帯の小中野地区→第1工業港
河原木地区→石油基地 八太郎地区(馬渕川河口から北西方約2M間)→第2工業港
入出港船舶は、100t〜3,000tの内航商船が最も多く、次いで3,000t〜10,000tのカーフェリーで、取扱貨物量は金属機械工業品、鉱産品、化学工業品の順に多い。
沖合の防波堤築造により、外海の波浪を防ぐようになったが、偏東風が強吹するときには返し波が強く西航路の通航ができないことがあり、偏北風が鼓吹するときには第1区・第2区内にうねりが進入し係船が困難になることがある。
気象風 年間を通じて南西の陸風が最も多く、低気圧が南側近くを通過するとき偏東風又は偏北風が強吹し、水深20m以浅の水域では破浪するという。
霧 6月〜8月にかけて濃霧がかかることがあり、一日中閉ざされることもある。
雪 冬季に全く視界を閉ざすような吹雪が数日あるという。
目標 鮫角 埼端は茶褐色の崖で沖合に数個の水上岩があり、灯台付近は樹木が多い。
蕪島 中央に神社と2記念碑がある。北半分は岩でウミネコの繁殖地で、2月〜8月は鳥のふんで白く見えるが、北方からは背景にのまれて視認しにくいことがある。
油タンク郡 旧馬渕川河口北西付近、青塗、淡黄色塗など多様で、無数。
レーダドーム 鮫角南南東方4.5km、高さ141mの丘上、一部5階建の建物上(地上高約48m)。
名久井岳 鮫角南西方約28km、高さ615mの鋭鋒で樹木が茂り、黒色を帯びている。
険礁 鮫角東側の距岸500m以内及び北側の距岸800m以内には険礁が散在する。
障害物 蕪島西端から白銀北防波堤に至る架空電力線(高さ12m)がある。
注意
○偏東風の強吹時に防波堤の外方はうねりや波浪が大きく、圧流されて沿岸に乗り上げる事故が多い。
○蕪島北西方600mの小根は航路筋の近くにあり、強風のときのほか殆ど破浪しない。またこの北西方600m付近では防波堤築造工事が行われている。これらを避航して東航路に向かうとき東流に圧流されたり、横波をまともに受けることがあるという。
○東航路東側に大型船が錨泊中は、航路の見通しが悪いことがあり、また小型艇が急に出てくることがある。
航行管制 新井田川及び第1工業港に出入航する200t以上の船舶は、館鼻上にある海上保安部信号所屋上信号柱の形象信号及びその北東方の八戸大橋橋塔上の閃光信号に従うこと。
(詳細は、八戸信号所(?0178-33-3177)へ照会、又は書誌第101号を参照されたい)
航舶制限 港内における引火事故を防止するため、船舶は港内に停泊中の引火性危険物積載タンカー(タンク船を含む)から30m以内の海面に立ち入ってはならない。
補給 主な岸壁・物揚場で水、漁港で氷が補給でき、給油船1隻、給油船が多数ある。
修理 造船所は第1工業港奥にあり、4,000tまでの修理ができる。
海上交通 室蘭港、苫小牧港との間にカーフェリー便がある。
その他 八戸海上保安部(港長)(別掲)・八戸海運支局(?0178-33-0718)
八戸税関支所(?0178-33-0423)・検疫所八戸出張所(?0178-33-1376)
八戸港管理事務所(?0178-28-2105)・船員保険保養所(マリンプラザ八戸)(?0178-34-5040)
八戸市立市民病院(?0178-43-8131)・青森労災病院(?0178-33-1551)
八戸市漁協(?0178-33-2245)・八戸市白銀漁協(?0178-33-3365)
八戸鮫浦漁協(?0178-33-0556)