4. IGCコード(International Gas Carrier Code)の概要
(液化ガスのばら積み輸送のための船舶の構造及び設備に関する国際規則)
4.l IGCコードの概要
1960年代よりLPG船,LNG船等の運航隻数が増加するに従い,また,安全問題に関する国際世論が高まるにつれて,液化ガス運搬船に対する国際規則作成の機運がたかまり,1975年IMCOにおいて「液化ガスばら積み船構造設備規則」(IMCOガスコード)が採択された。しかし,IMCOガスコードはその後の批准手続きがはかどらず国際的に条約として強制力をもつに至らなかったが,IBCコードと同様に1983年6月ロンドンで開催されたIMOの第48回海上安全委員会において「1974年SOLAS条約の1983年改正」が決議MSC.6(48)で採択され,この中でIGCコードが国際条約として強制化された。
IGCコードの本文は決議MSC.5(48)の附属書として採択され,「1974年SOLAS条約の1983年改正」とともに1986年7月1日からLPG船,LNG船(総トン数500トン未満の船舶も含む。)等に適用されている。
4.2 IGCコード本文
本文は19章からなり,電気に関しては「第10章:電気設備」に規定してある。
・10.1 「総則」
本章の規定の他に「1982年SOLAS改正」の第II-1章D部の電気要件も同時に適用し,また,「IEC Pub.92-502:タンカーに対する特別規定」を参照するよう規定されている。
・10.2 「機器の型式」
また,次の各章にも間接的に電気に関係する記述がある。
第3章:船舶の配置
第7章:貨物の圧力・温度制御
第8章:貨物通気装置
第9章:環境制御
第11章:防火及び消火
第12章:貨物区域の機械通風装置
第13章:計器(計測,ガス検知)
第17章:特別要件