(2)電算機ハードウェア及びソフトウェアの形態
電算機システムは、大型機を中心としたシステム、EWSを中心としたシステム、PCを利用したシステムの形態がある。
(a)大型機利用の形態
一般に、造船関係の業務では取り扱う資材品目数が非常に大きく、小型のシステムで取り扱うのが難しい場合が多く、大手造船所は一般に、統合的に材料管理を行うため大型機を中心に、端末機を必要数装備してシステム化を行っている例が多い。
問題点としては、大型機をシェアして利用するため、処理速度が利用者の満足するものにできるかという点がある。
端末機を、多機能端末或いはPCとして、汎用OAソフトを搭載して、それを非定形業務処理用に利用する形態のものが多い。
(b)EWS利用の形態
先に記述したとおり、EWSの能力向上は激しく、大型機に迫るような状況である。
このような中で、ダウンサイジングと称して、これまで大型機で利用してきたシステムを、EWS上で実行可能にしようという動きが出始めている。
EWSをLANで接続し、更にそのLANに大型機も接続しEWSで分散処理を行うと共に、大型機の利用、或いは大型機で更に大きなデータベースの管理を行うというものである。
また最近では、EWS上で動作するOAソフトも増加してきており、これらの利用も多くなってきている。
(c)PC利用の形態
データの容量が、比較的小さい場合、あるいは、データの相互利用が少ない場合、PC利用のシステムが一般に利用される。
このシステムの特徴は、導入のコストが少なくて済むこと、汎用的なソフトが各種利用できること、また汎用的なソフトの簡易言語あるいは、それをカスタマイズすることで、容易に対象のアプリケーションを製作でき、その製作効率が非常に高いことなどである。
問題点としては、大型機、EWSなどとアプリケーションソフトウェアの互換性が乏しく、将来それらのものに移行する可能性がある場合、少なくともソフトに関しては最初から出直しになる可能性が高い点である。しかしながら、データに関しては何らかの形で利用できる可能性は高いと考えられる。
最近は、PCについてもLANでの接続が可能となり、サーバーを設置することで、大容量のデータの取扱い、サーバー経由でのデータ交換等も可能になり、利用上の制限も少なく成りつつあり今後この形態が伸びてくるものと思われる。