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(3) 調査内容と実施状況

 

平成8年度と9年度の2ヵ年にわたり6ヵ国を訪問して、各港の調査、関係者との意見交換等を通して、それぞれの国の事情、作業船の現状と技術力、業務実施上の問題点や要望等について把握するよう努めた。

また、各調査団は主として(社)日本作業船協会の資料により我が国の作業船技術を紹介した。この新しい情報と技術が相手国にとって貴重な情報であり、今後の計画や事業遂行に大いに役立ち、ひいてはODAによる対象となるものについても協力することを含めて、意見交換をおこなうこととした。

各調査内容と実施状況については、当初の日本船舶振興会申請時の「補助の遂行に関する計画」に示された項目に応じて、調査内容を分類して「表-2」に示してある。当初の目標に対して、初めてのことであること、時間の制約があること並びに外国の攻勢が強いこと等があり、十分な成果を得ていない項目もあるが、これは今後の調査に際しての貴重な資料ともなり、継続的な努力が必要であることを示していると思われる。

 

(4) 調査の成果

 

作業船の需要動向調査は平成8年度より2ヵ年にわたり、カンボジアが調査対象から外れ、インドになったことがあったとしても、予定通り6ヵ国を訪問し、各港の視察、関係者との意見交換等を通してそれぞれの国の事情、作業船の現状と技術力、業務実施上の問題点や要望について貴重な情報を得ることができた。

また我が国の作業船の現状や技術力についても十分な情報を提供できたと考えられる。

しかしながら、作業船の需要を喚起するという点からは国の事情もあり、十分な成果とは言い難く下記のような要望に止まったことも否めない。

 

?@調査した6ヵ国の港湾工事に関する需要については、各国の事情の違いにより、多少のニュアンスの違いはあるが、総じて自国の経済発展の為に、その必要性は充分認識されている。しかし、大々的に国家予算を注ぎ込むにはほど遠い状況にあり、作業船整備の必要性は認めつつも困難な状況にある。

従って、無償であれ、円借款であれ日本の援助で建造した作業船を持ち込み港湾工事を是非やって貰いたいとの要望を6ヵ国の調査国のうちほとんどの国から受けた。

?A調査段階で日本の作業船を紹介した「THE WORKVESSEL IN JAPAN 1997」を配布したが、その内容については大変良い評価を受けた。しかし、日本の作業船の優秀なことを認めつつも、その高い価格故にその導入が不可能であるという相手国の態度に上記の事情が現れている。

 

 

 

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