行って測定すれば、測定器の時間変動の影響を除くことができる。
測定は、一般に測定される量やそれを発生させる事物に影響を与えないようにして測るのが、良い場合が多いといえる。回路の電圧を測定するのに、電圧計を接続したため測定される電圧が変化してしまっては困るわけで、このようなことが避けられない場合は、次善の策として電圧の変化分が計算できるようにすることが必要である。変化分を計算(較正)して、電圧計を接続しないときの電圧を求めることを補正という。
電気測定器や電子測定器では、被測定量は電磁気量や電子量ですから、温度や圧力の測定を電気/電子測定器で測定するためには、温度や圧力を電磁気量や電子量に変換する変換器が前置される。エネルギの質を変える変換器を、一般にトランスデューサという。同じエネルギ形態間の変換器をコンバータと呼んでいる。
測定項目の分類及び測定器の例は、次のとおりである。
(1) 電圧・電流・抵抗:電圧計、回路試験器、ティジタルマルチメータ、高周波電圧計、電力計、絶縁抵抗計
(2) 周波数・時間:周波数カウンタ、ユニバーサルカウンタ、時計、ストップウォッチ、スペクトルアナライザ
(3) 信号波形の解析:オシロスコープ、デジタルオシロスコープ、サンプリングオシロスコープ
(4) 素子・回路網・伝達関数の測定:万能ブリッヂ、ネットワークアナライザ、LC測定器、インピーダンスアナライザ
計測用語の体系は、表8.1に示すとおりである。