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しかし,長波や中波では,とてもそのような長さの空中線はのぞめないので,波長の1/10よりもさらに短い空中線も多く使用されている。

このような垂直形の接地空中線から送信され,また,受信する電波は垂直偏波である。この空中線の高さを実効的に高くするため,空中線の頂部を折り曲げて逆L形としたり,空中線の頂部に「かさ」や円板などを取付けたものもある。

この場合はその水平部によって,水平偏波成分をもつことになる。

ロラン,デッカの受信空中線の場合,直接波は垂直偏波で,電離層からの反射波は上から来るので水平偏波成分が多い点を空中線で考えなければならない。

空中線が受信波長よりも極端に短い,例えばオメガの受信空中線のようなときは必要とする信号も雑音も,空中線の長さに関係なく同じ割合の強さで受信されるので,空中線の長さやその給電回路との整合はあまり気をつかう必要はない。

(1) 放射電力

長,中波用の接地空中線の場合には,空中線の長さが使用波長に比べて短いのが普通であるから,ダイポール空中線とみなすことができる。したがって,接地空中線からの放射電力は半波ダイポール空中線の放射電力計算式から求めることができる。

図6・14(C)に示すように,自由空間に長さl=2heなるダイポール空中線があるとして6・20式から,

152-1.gif

 

しかし,実際には大地上に空中線が立っているのであるから,実際のエネルギーは6・24式の1/2と考えられ,

152-2.gif

 

となる。

放射抵抗も半波ダイポール空中線の1/2となるので73.13/2=36.56[Ω]となる。

 

 

 

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