となる。
このことから,放射される電波による電界強度は,距離に逆比例し,空中線に供給される電力の平方根に比例することがわかる。つまり,送信電力を2倍にしても受信点の電界強度は1.4倍にしかならないことを示す。
(3) 実効長と指向性
6・4の(4)及び(5)に記載のとおりとなる。
(4) ダイポール空中線からは,いろいろな変形も考えられる。
図6・12は,スリーブ空中線(Sleeve Antenna)と呼ばれるもので,同軸ケーブルの導体中心部を約1/4波長上に伸ばし,外部導体は, これも約1/4波長を折り返した形でスリーブがかぶせてあり,半波長ダイポール空中線と同じ構成になっている。この形は垂直偏波の無指向性の電波を水平方向に送受しうるので超短波通信用の空中線などに使用される。
図6・13は,ブラウン空中線(Braun Antenna)と呼ばれる空中線で,スリーブ空中線のスリーブのかわりに4本のいわゆる地線を放射状に配置している。地線の数は何本でもよく水平でなく,下方へ傾斜させたものもある。衛星航法NNSSの受信空中線にはこの形か又はその変形がよく使用されている。