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(c) QPSK:Qはquadri-(4の)で4相PSKと呼ばれる。搬送波の位相を0とπだけでなくπ/2,3π/2を加えて四つの位相をとる変調方式で,2組の2進コードの伝送ができる。この方式はBPSKと同じ周波数帯域幅で2倍の情報量を送ることができる特長がある。

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(d) OQPSK(オフセットQPSK):QPSKで送信する2組の信号のうちの一方の2進コードを1/2シンボルだけずらせて変調する方式で,非線形増幅器によるひずみが少なくなる特長がある。

(e) 多相PSK:4相PSKを更に8相,16相と多相にした方式である。

(f) FSK:図3・57の(c)に示すように2進データの0と1に対応して,二つの周波数f1とf2の切換えで情報を伝送する方式で,周波数の切換え点で位相が連続な方式をCPFSK(CPはcontinuous phas連続位相)という。FSKでは変調指数hが定義され,

h=|f1-f2|/fbここで,fbは被変調信号の伝送速度であり,普通は0.5≦h≦1.0にとられる。H=0.5のFSKをMSK(minimum shift keying,最小シフトキーイング)という。

(5) 音声信号ディジタル化

ディジタル信号で音声,音楽などの信号は,搬送波をその信号でキーイングする前にディジタル化しなければならない。このディジタル化は基本的にはA/D変換器を通して行われる。例えば,デルタ(△)変調(変調といっているが,事実は符号化)では,信号を細かく標準化したうえで,階段状に近似してその階段のプラスを1,マイナスを0で表現する形の符号化をする。その他,使用される信号ビットレート(速度)にもよるが,各種の方法が行われている。ビットレートが早いほど忠実な信号の再現ができる。

 

 

 

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