(1) 標本化(サンプリング)
標本化というのは,(b)のように連続した音声信号の瞬時値を1/8kHz(125μS)ごとの時間間隔で取り出すことをいう。このように不連続で取り出すと,一見正しい波形は復元できないように感じられるがシャノンの標本化定理により音声の上限周波数4kHzの2倍の周波数8kHzでサンプリングすれば元の音声信号はほぼ完全に復元できる。
なお,標本化定理については3.9.1(3)で詳述する。
(2) 量子化
アナログ信号の連続的な振幅変化を伝送する場合,振幅の大きさを適当なステップに区分して,振幅にあてはまるステップ値を代表値として伝送する。いいかえればアナログ量をディジタル量に変換する操作を量子化と呼ぶ。
(c)では全振幅を正負共に4段階(零は正負共通のため全部で4×2-1=7段階)で表現する。
(3) 符号化
量子化したステップをパルスで表わす。4段階は(4=22)のため2ビットで表される。これは正,負の極性ビットを加えて,合計3ビットで7段階のステップを表現できる。
実際の装置では,量子化のステップ数が正負共に128ステップ(128=27)なので極性ビットを含め8ビットで表現する。