となり変調波形は図3・20(d)のようになる。ただしJK(X)はベッセル関数を表し,また△ω=γVp,m=△ω/Ωで△ωを最大角周波数偏移,mを周波数変調度とよぶ。周波数スペクトルの例として図3・28にlkHz及び2kHzの正弦波を最大周波数偏移△f=△ω/2π=4kHzで周波数変調した場合のものを示す。式(3・21)から分かるように周波数変調波は原理的に零から無限大にわたる周波数成分を含みこのままでは一つの伝送路で一回の通信しか行えないことになる。しかし実際の周波数変調波のスペクトルは搬送波周波数から十分離れると非常に小さくなるので通信にはすべての周波数成分を用いなくても実用上は差し支えない。船舶用150MHzVHF無線電話装置においては最大変調周波数は3kHz,最大周波数偏移は5kHzで占有帯域幅は,16kHzとされている。
(2) 周波数変復調回路 図3・29は周波数変調の原理を示す。この回路はもしC0がなければ一般の反結合発振回路である。いま可変要領C0は信号波に比例して変わりC0=KvpかつC0<<Cとする。このときこの回路の発振周波数は
(2) 周波数変復調回路
図3・29は周波数変調の原理を示す。この回路はもしC0がなければ一般の反結合発振回路である。いま可変要領C0は信号波に比例して変わりC0=KvpかつC0<<Cとする。このときこの回路の発振周波数は
となって信号波に比例して変わるから周波数変調波である。C0には電圧によって容量値の変わる可変容量ダイオードあるいはトランジスタ、FETの非線形性を利用したリアクタンストランジスタ回路を用いる。 復調回路はまず周波数変調波の振幅が雑音などの影響で一定でないときは図3・30(a)のように変調波の上下を切り取って振幅を一定にする。この操作を
となって信号波に比例して変わるから周波数変調波である。C0には電圧によって容量値の変わる可変容量ダイオードあるいはトランジスタ、FETの非線形性を利用したリアクタンストランジスタ回路を用いる。
復調回路はまず周波数変調波の振幅が雑音などの影響で一定でないときは図3・30(a)のように変調波の上下を切り取って振幅を一定にする。この操作を
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