単側波帯振幅変調と両側波帯振幅変調の送信機における大きな相異は送信機回路における変調器の位置である。両側波帯送信機の場合は,搬送波を出力の電力まで比率の良いC級増幅器(非直線性)を使って増幅し,最終的に変調をかけることができる。単側波帯においては図3・24に示すように高い搬送波周波数帯で動作する急峻なしゃ断特性を持つフィルターが必要で,このフィルターがあまり大きな電力を扱うものができないので,電力の低い所で変調を行い,所要電力まで増幅する必要がある。そのため増幅器には直線性(入力電圧と出力電圧が比例するもの)が必要であり増幅器としては能率はやや低下する。
(3) 復調回路(検波回路)
図3・26に検波回路の一例を示す。トランスを経て図3・27(a)の被変調波電圧がダイオードに加わると,(+)側の電圧のみが通過して同図(b)のような山のピークを結ぶギザギザの線をのぞいた波形の電圧が出力側にあらわれる。この電圧はC,RLの並列回路によってならされて,包絡線に沿ったぎざぎざの線のような信号電圧を取り出すことができる。C,RLの並列回路の時定数C×RLには次の条件がある。