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〔注〕導波管の気密試験

導波管は装備完了後、気密試験を行う必要がある。その要領については、運輸省海上技術安全局規定の検査の方法に、“導波管に0.5〜1kg/cm2の空気圧を30分以上かけて気密試験を行い、導波管の圧力が10%以上減少しないことを確かめる。”との基準が示されている。

このため、これに従って導波管の空中線側を外して密閉し、送受信機側から圧縮空気(0.5〜1kg/cm2)を送り、そのまま送気側も閉じて約30分間放置した後、導波管内の圧力を測定する。

圧力計の指針に低下がみられる場合には、導波管の各接合部分に石けん水を塗り、空気漏れの部分を探す。漏れの部分を発見したら処置を行う。なお、導波管の途中に防湿のためテフロンやマイラのシートが入れられている場合には、これが圧縮空気の圧力によって破損することがあるので、試験を始める前に外しておくこと。

4・3・2 定期の点検整備要領

導波管は外気に露出しているので、装備不良によって後日、水漏れ事故を起こすことがある。十分に注意して整備すること。

(1)一方の導波管を固定したままで他方の導波管だけを移動して導波管の接続や取り外しを行うと、接合面を傷付けて防水効果を低下させることがある。このため、必ず両方の導波管を同時に動かしてOリングを傷付けないように注意して作業すること。(図3・5参照)

フランジの接続面には、必ず新品の適合規格品のOリングを使用すること。

Oリングは傷つきやすいので、チョークフランジの溝に、ねじれやはみ出しのないように注意して入れる。取付けの要領は、溝にOリングを入れて一部分をつまんで内側に軽くねじりながらはめ込むとよいが、はめ込まれた状態ではねじれていてはいけない。

フランジの接続は、ステンレス製のねじとスプリングワッシャを用いて、両方のフランジが完全に密着するまで締め付ける。

接続面の防水のため、フランジの合わせ部分の全周と、締付けねじの周囲にコーキング材を塗るとよい。

(2)導波管や同軸管の空中線部への接続面及び支持固定部分に、破損、亀裂、腐食、緩み等はないか。

 

 

 

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