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ないように絶縁遮へい体または接地された金属遮へい体の中に収容しなければならないと規定されているが、300V以下の低圧であっても傷害防止の上からも必ず接地すること。また、最近の電源機器はノイズの発生源になりやすく、確実に接地をしないと他の電子機器に妨害を与えることになるので、十分な配慮が必要である。なお、接地線はできるだけ最短距離で配線すること。

(5)ケーブルの接地

各機器の接地が完全であっても、外部接続ケーブルのがい装が接地されていなかったり、シールド線の接地が指定場所でなかったりして、不測の誘導障害を起こす場合があるので、指定された接地方法を守り、水防栓口の防水処置と併せて、完全に実施する必要がある。

2・2・2 防 食

(1)腐食作用

腐食とは金属や合金が化合物となる反応である。この反応は水がある場合に反応が早いことはよく知られている。これを湿食といい電気化学的な反応である。常温で水分のない場合の腐食はほとんど無視できる程度である。空気中の鉄は赤さびを発生し、アルミやステンレス鋼でも酸化物が容易にできるが、酸化物は極めてち密なごく薄い皮膜で、その保護作用によって、さびの進行は阻止され、一見さびていないようにみえる。鉄も空気中で水分のないときや水中で酸素のない状態のときには腐食は余り進行しない。しかし、水中に酸素があれば鉄イオンとなって水中に溶け出し、水酸化物となり、局部電池を形成する。鉄イオンの溶け出した部分は局部陽極となり、その回りは局部陰極となって腐食する。

(2)電  食

電食とは異種金属または合金の接触による腐食作用をいう。金属にはそれぞれ特有の電位があり、異種金属が接続されると、それぞれの電位によって一方が陰極に他方が陽極になって腐食する。また単一の金属又は合金でも、金属の表面には局部的な不均一な部分があって、それらのうち活性な部分が陽極となって腐食する。これらはすべて局部電池による腐食である。

船体の金属部の素材はほとんど鉄であり、機器の金属素材は、鉄、アルミ、銅及びその合金が使われているが、各ユニットは十分な防食処理がされている。接地のために防食やさび止めのコーティングを取り除く必要がある場合

 

 

 

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