じ位相の点が動く速さという意味で実際の電波のエネルギの伝送速度ではない。このVpを位相速度という。これに対して、エネルギの伝送は群速度Vgで伝わり、これはVg=Csin θと逆に光速度より遅くなる。
このように、導波管の中を斜に管壁で多重反射をしながら進む電波が、どのような斜行をするか、すなわち、θの大きさは電波の波長λと導波管の寸法aによって決まる。図3・8においてa cosθ=λ/2であるから、導波管の中をエネルギーが伝わる群速度Vgは
となり、ここでもしλ≧2aになると、Vgは0または虚数となる。これは、電波のエネルギーはもはや導波管の中を伝わることができないことを示しているわけで、このような波長λ′を、遮断波長、またその波長に対応する周波数を遮断周波数という。言い換えると、方形導波管はその幅の2倍以上の波長の電波を伝えることはできないことになる。上式から、管内波長λgは、次の様にも表すことができる。
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