動機逆転への移行時で電流極性が変る際に,サイリスタの動作切換えに1/100秒以内のむだ時間(遅れ時間)を生ずる程度に制御することができるので,逆転時の運転に対し,かなりな速応特性を要求されるウインチやクレーン等の荷役機械には実用上適切なものとして認められている。図8・11は本方式の基本接続を示す。
(3)主回路切換え方式
主回路電流供給用のサイリスタ整流器を一組だけを備える方式で,逆転に際しては電流が零になる時点で主回路の極性を図8・12に示すように切換える。極性切換えには開閉器の形式や容量により1/10〜5/10秒を要するので,速応性を要する装置には本方式は適していないが,緩やかな逆転動作を行うものには,経済的な点からその適用が考慮される。