(3)ツェナダイオード(定電圧ダイオード)
半導体ダイオードのPN接合に逆電圧を加え,その電圧を増加させていくと,ある一定の電圧から図7・2に示すように急に逆電流が増加しはじめ,いわゆる降伏現象を呈する。このPN接合部の作り方によって降伏現象の起こった処で電流の広い範囲にわたって電圧はほぼ一定の値に保たれる。このような特性のダイオードをツェナダイオードと称し,一般にシリコンを材料としたものが用いられている。降伏電圧はシリコン中のPN接合付近の不純物の分布によって決り,5〜40Vの範囲のものがよく作られている。ツェナダイオードは降伏電圧現象を利用して,供給電圧の安定化や基準電圧を作るのに用いることができる。