図において明示されており,取付台も他部門の所掌としてすでに装備されているものもある。しかし電気艤装工事者としては,本章の内容を十分把握した上で工事を施行すること。なお,装備上において不具合が発見された場合は,ただちに設計部門又は現場関係部門と協議して処置することもある。以下,電気機器装備工事における一般的な注意事項を列記する。
(1)取付台
(a)取付け位置は,図面又は位置出しどおり施行すること。
(b)機器台は,振動,衝撃に対し充分な補強を施すこと。
(c)機器取付面は,ひずみ,すきまがなく,また,機器に適合した取付穴とすること。
(d)機器台の溶接については,4.4.1(1)を参考として作業すること。
(2)取付け前の点検
(a)機器台の溶接作業が完了していること。
(b)機器台内の必要な電路及び貫通金物等の取付が完了していること。
(c)機器台内部の塗装が完了していること。
(d)機器背面の船体塗装が完了していること。
(3)機器取付け
(a)操作が容易で,誤操作のおそれのないように装備すること。(取付位置及び機器の銘板等に注意)
(b)点検修理の時,カバー又は扉の開閉着脱が容易であること。(軸流通風機等の取付けに注意)
(c)装備機器の分解及び取替えが容易であること。
(d)機器の開閉扉のヒンジ位置は,適切であること。(特に,暴露部の防波箱等は,船首側ヒンジとする。)
(e)雨水及び海水の滴下による被害あるいは,蒸気,油,水等の管継手部,弁類などからのもれによる被害を受けない位置とすること。
(f)高温,高湿にさらされることのない場所とすること。
(g)人がつまづき,転倒,衝突時の,妨げになるような機器配置をしてはならない。
(h)機器取付け予定場所の面の裏側が危険な場所(例えば,燃料油タンク等)でないこと。また,他の装置,配管,ケーブル等に損傷を与えない場所であること。
(。)機器の取付ボルト,ナット類は,ナットの締付け後,ナット表面からボルト先端までが1.5山以上出るようにすること。
(j)振動のはげしい場所に装備する場合は,防振措置を施すこと。
(k)電線貫通金物の位置,取付け方向及びケーブルの導入が適切であること。