
一般に誘導電動機の全負荷速度をn(rps)とするとき回転磁界の同期速度nsとの差Ns-nとnsとの比sを滑り(slip)という。滑りsは1より小であるから一般に百分率で表わされる。

ns-n。皀?s(rps)
回転子速度 n=(1-s)ns(rps)
全負荷滑りは定格出力1kW以下で10〜7%,2kW〜50kWで6〜4%,50kW以上で4〜2%位である。また,速度特性は直流分巻電動機に似ている特長がある。なお,3・4・5(2)(a)の注を参照のこと。
(iii)巻線形誘導電動機
電動機の回転子を巻線形にして,巻線を施したものである。始動の際は,始動回転力を出すために抵抗を入れて始動し,定格回転数になれば,この抵抗を短絡する。また,この抵抗器を使用して速度制御をすることもできる。さらに3・4・5(2)(a)注1にて述べたように極数変換を利用すれば幅広く速度制御ができる。
(iv)かご形誘導電動機

回転子の構造が,りすのかごの形をしている。その銅棒の形状には図53の(b),(c),(d)の3種があり両側を短絡環で接続され,その中間は鉄心(コア)である。図53の(d)は普通かご形で一般に使用されているが,船舶のように始動電流を少なくまた始動回転力(スターティングトルク)を大きくするものには図53の(b),(c)の特殊かご形が使用される。

深溝かご形の場合は二重かご形に比べ,始動特性はやや劣るが効率等が優れている。
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