
(1)直流電気推進方式
(a)定電圧制御方式
電気推進方式としては最も簡単な方式である。

図32において直流発電機の定電圧の電源を直流電動機に供給し,電動機の速度制御及び正逆転は,それぞれ電動機の界磁調整器及び可逆スイッチにより制御するほか,発電機の界磁調整器を使用して供給電圧を加減し,電動機の速度を制御することもある。
速度制御範囲は100%〜25%程度である。また,発電機を複数台用いて,プロペラの出力に応じて,台数の増減を行う方法もでき,この場合は効率のよい制御ができる。

(b)ワードレオナード制御方式
図33において,直流電動機の速度及び正逆転制御はその電動機の専用の直流発電機を必要とするのが特長である。
発電機の界磁調整器による発電機の界磁電流の加減及び電流方向の切り換えで発電機に広範囲の電圧を発生させ電動機の速度制御及び正逆転を行う。この方式は(a)の方式に比べ,僅かの電流値でこれらのことができる特長がある。したがって,電流容量の大きい界磁抵抗器を必要とせず,また,速度制御は零から定格回転まで微調整が可能である。逆転も同様に簡単にできる。
以上のほか定電流制御方式やサイリスタ制御方式などがあるが,ここでは省略する。
(2)交流電気推進方式

(a)巻線形誘導電動機方式
一般に交流電動機の速度制御は直流電動機ほど有利にはできない欠点がある。
そこで図34に示すように巻線形誘導電動機を使用して,回転子の巻線に抵抗器を挿入し,その抵抗の値を加減して速度制
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