
油を噴射すれば,着火燃焼し,爆発圧力により,ピストンは上下運動を繰返し,クランク軸により回転運動に変換される。なお,この場合燃料として廉価な重油が使用できる特長がある。重油は粘度の低い順にA・B・C重油に分けられ最近では大型ディーゼル機関にC重油が使用され運航費の低減に役立っている。
ディーゼル機関を分類すれば次のようになる。
(1)シリング(気筒)配置による分類

図19,20は通常使用されている機関の形を示したもので,このほかに横形のものもあるが,裾付面積を広く要するので殆んど使用されない。そしてこれらは単動機関であるがこのほかに複動機関等もある。
(2)サイクルによる分類
(a)4サイクル機関
(b)2サイクル機関
ディーゼル機関は(a)及び(b)の両方のサイクル機関が採用されており,電気着火機関は4サイクル機関が多い。
(3)4サイクルディーゼル機関の動作

図21にみるように,2回転すなわちピストンの動きが4ストローク(行程)したとき,1回の爆発がシリンダ内に起り,順次これが繰り返されて,回転運動に変る仕掛けである。
これを図21によって説明すれば,(A)のときピストンが第1ストロークで下降し,新鮮な空気を吸入する。次に(B)において1回転の後半のとき,ピストンが第2ストロー
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