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5.2潮流下における交通流シミュレーションの結果と評価

 

5.2.1交通流の再現状況

図IV-5-3から図IV-5-9には、上記の変更を付した交通流シミュレーションの航跡例を示した。図IV-5-3は、潮流もなく、追越し制限もない条件下において、複数の船舶が中水道を北航する状況を示したものであり、先行する大型船を追い越す小型船舶群の例を見ることができる。

図IV-5-4は、追越し制限を付加した場合の航跡例であって、中水道を最左翼から追い越し体勢にある小型船舶が減速と変針をもって低速の大型船の後方に占位しながら通狭して行く様子を見ることができる。

図IV-5-5および図IV-5-6は、南流最強時に対し、それぞれ25%および50%の流速に置換した潮流に逆らい、また、追越し制限を受けながら航行する場合の様子を模擬したものである。各船舶の運動特性は考慮していないため、一部、滑らかさに欠ける動きも見受けられるが、次第に対地速力を失っていく様子が窺える。

図IV-5-7から図IV-5-9は、何れも南流最強時の75%流速の逆潮時に、追越し制限を受けながら航行する例であるが、中水道通過に長時間を要するため、連続する3葉の図(各図4分間の航跡)として掲載したものである。当初、低速の大型船の後方には3隻の後続船舶が存在していたが、やがては後続船が5隻に増加し、滞留していく様子を見る事ができる。

 

 

 

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