日本財団 図書館


図?-3-17と図?-3-18は、中水道(南航)と西水道(北航)航行に対するモデルの適用結果を憩流時、最強時、中間時の各潮流ごとに重ねてプロットしたものである。

図?-3-17中水道(南航)憩流時、最強時、中間時の各潮流

図?-3-18西水道(北航)憩流時、最強時、中間時の各潮流

中水道(南航)の場合は、追い潮での航行となるが、これによると馬島と中渡島間に侵入して行く際に感じる操船水域制約に伴う負荷がよく表現されており、併せて潮流の強さに応じて負荷が増す様子もうまく表現できていると思われる。

西水道(北航)については、向かい潮での航行となる。この場合は馬島と小島間で環境ストレスは最高値を示し、特に小島を迂回する過程まで高いストレスが継続する。潮流の強さに関しては向かい潮であっても、潮流が強いほど課される負荷は大きい結果が得られている。

3.1.6評価指標の検討

潮流下での操船において操船者に課される困難さに関し、操船者の意識を反映した評価指標を策定することを目標に、ここでは環境ストレスモデルを提案した。このモデルを操船シミュレータ実験の操船結果に適用し、ここでの目標に合致する評価指標としての妥当性の検証を行った。

その結果、操船者が航行中に感じる水域制約や潮流の存在に起因する主観的困難感を表現し得ることがわかった。

図?-3-10-?憩流時の操船結果

図?-3-10-?最強時の操船結果

図?-3-10-?中間時の操船結果

図?-3-11操船環境ストレス値(中水道南航憩流時)

図?-3-12操船環境ストレス値(中水道南航最強時)

図?-3-13操船環境ストレス値(中水道南航中間時)

図?-3-14操船環境ストレス値(西水道北航憩流時)

図?-3-15操船環境ストレス値(西水道北航最強時)

図?-3-16操船環境ストレス値(西水道北航中間時)

図?-3-17中水道(南航)憩流時、最強時、中間時の各潮流

図?-3-18西水道(北航)憩流時、最強時、中間時の各潮流

3.1.7交通環境ストレスモデルの提案

(1)交通環境ストレス値の定義

交通環境ストレスとは、操船者と交通環境の関連に着目し、自船の周囲を航行する他船が形成する交通流が自船の操船上の行動を制約する場合、そのような環境が操船者に課す負荷の大きさを表す定量化指標である。

自船周辺に他船が存在するとき、自船がどの針路方向に向いてもいずれの船とも衝突の

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION