出る場合、S旗は右に曲がるとき、P旗は左に曲がるとき、C旗は航路を横断するときに、おのおの使用される。)は堅持し、アンケート結果にもあるように、すべての航路で統一性・共通性を保つことが必要である。
また、行先信号に関する信号を、昼間は国際信号旗、夜間は汽笛を用いて行うことについても、設備関連の若干の問題点はあるものの、現段階においては最良の手段であると考えられる。
4.2「行先の表示」の簡素化についての考察
行先信号の簡素化については、アンケート調査によると、とりわけ信号の揚げ換えの省力化に関する要望が多く見受けられた。すなわち近年の船員事情から船橋配置員数が少なく、操船や見張り等の業務に専念するため旗りゅうを揚げ下げする要員を確保できなかったり、風により旗りゅうが巻き付いて揚げ下ろしが困難なこと等があり、原則として短時間のうちに、行先信号に関する信号の揚げ換えを行う必要のない方式を検討する必要がある。ただし、十分な検討に基づかないままで、あるいは合理的な根拠を見いだせないまま、安易に行先信号を簡素化することは、かえって船舶交通の安全の阻害要因になりうることにも注意しなければならない。
その対象としては、東京湾ではたとえば、浦賀水道航路をこれに沿って北の方向に航行し、同航路から中ノ瀬航路に入り、その後、中ノ瀬航路をこれに沿って航行し、同航路の北側の出入口の境界線を横切って航行し、その後、右または左へ航行しようとする場合がある。
また、横須賀港の区域外に出、浦賀水道航路を横断して中ノ瀬航路に入り、その後、中ノ瀬航路をこれに沿って航行し、同航路の北側の出入口の境界線を横切って航行し、その後、右または左へ航行しようとする場合がある。
さらに、瀬戸内海では、たとえば、水島航路をこれに沿って南の方向に航行し、同航路から東の方向に備讃瀬戸市航路に入り、その後、備讃瀬戸南航路をこれに沿って航行し、坂出港の区域またはバンノ州泊地に入ろうとする場合がある。
同様にたとえば、坂出港の区域外に出て備讃瀬戸東航路に入り、同航路をこれに沿って西の方向に航行し、その後、バンノ州泊地に入ろうとする場合がある。
4.3夜間信号についての考察
アンケート調査によると、夜間信号は吹鳴している船舶の判別の困難性や、強風時における汽笛信号の識別の困難性といった指摘があり、その有効性を疑問視するものや代替案を提示するものもあった。
確かに夜間における汽笛信号については、アンケートの結果にみられるように、必ずしも実効があがっているとはいえない部分があるが、立法趣旨や設備上の制約等から考察しても、行先に関する信号の有用性からみても、適切な代替案についてのコンセンサスが得られるまでは現行の夜間信号を廃止すべきではないと考えられる。
ただし、夜間信号の見直しについて否定するものではなく、指摘されている船舶の判別や