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の荷役及びバラスト作業中に多いので、これらの作業にあたっては次の基本的な事項を遵守するとともに、作業を十分慎重に行うことなどにより防いでください。

 

(1) 作業計画等の作成

貨物油の積荷及び揚荷、燃料油の補給、タンク間の移送などの作業にあたって励行すべき手順、漏油事故防止対策を内容とした「作業計画」を作成するとともに、作業分担及び作業内容などを記載した「作業分担表」を作成し、関係者に周知徹底のうえ見やすい場所に掲示しておきます。また荷役許可証、緊急時の通報先なども同じように掲示しておきます。

 

(2) 作業責任者の選任

作業責任者を選任しておきます。作業にあたっては、関連設備・機器の取り扱いに慣熟した者を配置し、計画的に手ぎわよく行うことが重要です。作業責任者は、ホースの結合、送油の開始及び積切り、ホースの切り離し、その他重要な作業にあたっては自ら現場に立会って作業の指導監督にあたってください。なお海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律では、200総トン以上のタンカーについて、船長を補佐して油の不適正な排出の防止に関する業務の管理を行う“油濁防止管理者”を選任することとなっています。

 

(3) 設備・器具の点検と整備

貨物油の積荷及び揚荷、燃料油の補給などのための設備や器具の損傷は、大量流出油事故に結びつきやすいものです。日ごろから各部の点検を行い、不良箇所の修理、老朽部品の交換などを行っておくことが大切です。特に平常目の届かない箇所についても、定期的に点検及び整備を行ってください。通常の点検及び整備にあたって注意すべきことは、次のとおりです。

【点 検】

? 油送パイプ、ホースの接続部等に漏れはないか。

? 油送パイプ及びパイプの仕切り弁、切替弁及びコックに漏れはないか。

? 油と水の仕切り弁には、漏れがないか。また識別マークをつけてあるか。

? 船外弁は正しくシールされているか。

 

 

 

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