(2)構造解析
B舵断面、舵幅2.5m、舵高さ3.lmで荷重条件の厳しい“丸型大”の上下端板を装備した鋼製実機を解析対象とした。力学モデルとして、“主舵板は薄板要素”、“フラップは固体要素”、“舵軸、リンクバー及びフラップヒンジ部は梁要素”を使用してモデル化を行った。荷重条件は船速10ノットとし、中空部材である主舵板には絶対圧としてフェイス面とバック面の両面にかけ、中実部材のフラップにはフェイス面にその差圧をかけ、端板には上部端板て差圧を下方から上方へ、下部端板では逆に上方から下方へ作用させている。
図16に有限要素モデルを掲げる。図17は変形モードを示す。変形モードにおいて最大変位はリブ間隔の最も大きい主舵板下部の前縁部で発生しており、現実に即した変形挙動を示しており、構築モデルの力学的な妥当性を裏付けている。
図18は反力ベクトルを示す。本図は変形形態の上に反力を重ね描きしたものである。同図から圧力荷重の総和が約20トン程度であることが判る。
図19にフェイス面、バック面の応力レベルの分布を示す。同図からも主舵面下部の前縁部が最大応力発生位置であることが判る。