図5以降において,Headingはジャイロコンパスからの船首方位,Commandはオートパイロットで与える設定針路,Rudderはオートパイロットからの命令舵角に追従する操舵機の舵角,Referenceは新制御方式特有のもので参照針路,Heading Rateは船首方位の角速度(旋回角速度)を示す。
・ 変針応答
図5はそれぞれPID制御(上),アダプティブ制御(中央)と新制御方式(下)による往路の変針量15度の応答である。
設定針路が変化してから船首方位がそれに達するまでの時間を比較すると,新制御方式(ふたつの285度から270度の変針を参照)がPID制御とアダプディブ制御に比べ短い時間であることが確認できた。新制御方式では,時間20秒と6分30秒の270度から285度の変針はパラメータに初期値を与え同定したパラメータで次の285度から270度の変針を行った。