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環境保護及び安全性

IMOのMARPOL73/78規則では、既に含油ビルジ水、オイル及び化学貨物、ちゅう房及びプラスチック廃棄物といった極めて船舶に関連した廃棄物の諸問題について規定している。排気ガス排出物質はまだ国際規則で規制されていないが、新付属書を準備中で、同付属書は2000年になる前に公表されるだろう。

SOx,NOx排出物質の限度、またおそらく微粒子排出物質の限度も規定されることになるだろう。

排気ガスの排出限度は海運事業にとって極めて重要なイメージ項目となるのである。提案されている最大5%の硫黄限度は、基本的には燃料の取扱い方法の問題であるので、一般には受け入れにくいが、NOx排出は搭載エンジンの性能に関連するものであり最近導入されたNOx削減技術はすでにその状況を改善してきている。

一般の安全意識を高めるには、正規の安全手順と船舶の評価が必要である。航法及び機械装置は既に統合コンピューター装置を用いて運用及び制御されている。今後考えられる手段としては、種々の主要サブ装置からの故障信号を分析し、あらゆる種類の職務から離れている乗組員に速やかに提案ができる統合安全評価装置があり、これには勿論乗組員自身の判断は入らないのである。

総体的なライフサイクルの考え方が必要である。事業用船舶の新しいライフサイクルコスト分析ツールが開発されるはずである。数種類の規則或いは標準が導入される可能性もある。ライフサイクルの手法では各種の材料のリサイクル義務も生じてくるかもしれない。

 

 

 

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