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舶用推進

燃料保管場所での量的制約がある用途では、機関の高効率が重要である。舶用推進の単純サイクルガスタービンが優位を占めているのは、初期の熱回収装置の欠陥(特に構造的完結性)を反映している。今日では状況が変わり、熱回収装置技術は成熟しており、現行の装置が舶用推進に求められる性能及び信頼性に対応できるまでになっている「28」。インタークール熱回収(ICR)機関は現代のガスタービンと比較して特定の燃料消費量を30-40%削減できる。ICR機関は船舶用に最適であり、その特質としては、(1)高効率、(2)優れた部分負荷効率、(3)許容可能特定出力、(4)小型動力装置、(5)低減熱、IR,及び防音特性、(6)高信頼可能性があげられる。

ICR推進機関(WR-21)の開発は、順調に進展している「29」。この機関(第9図に図示)は、空気誘導ガスタービンを基本に金属プレートフイン熱回収装置を利用している。動力装置の定格は約20MWで効率は42%以上である。この動力装置の成功は舶用推進のみならず発電工業への技術転移にとっても重要である。

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