日本財団 図書館


2.2.7 OTC8431 「複合材生産ライザーの設計」

 

Composite Production Riser Design

D.D.Baldwin and N.L.Newhouse,Lincoln Composites,and

K.H.Lo,Shell Oil Products Company,and R.C.Burden,HYDRIL Company

 

概要

複合材の生産ライザー(CPR)を設計し、大水深(3000〜5000フィート)での使用に適するかどうかを実証する為の努力が、今集中的に行われている。石油会社側から示された機構面/運転面/そして性能面の諸要求を満たすべく、現在もそしてこれからも種々のプロジェクトが企画されるであろう。

プラットフォームの動きによるライザーの応答と周囲の環境からライザーにかかる負荷は、世界のTLPシステムのデータ分析に基づいて与えられ、そのデータを基に既に確立した最新の複合材構造設計手法を用いる事により、予測される負荷を上回っても十分な性能を持つCPRの設計が出来た。

CPRの継ぎ手の設計は3つの異なる要素から成る。第一は、筒状の複合材の構造設計;第二は、複合材と金属材の接続面の設計;最後は、金属の継ぎ手部の設計である。筒状の複合材は、炭素繊維と強化ガラス繊維がエポキシ樹脂の母材に組み入れられた構造を持っている。又、複合材と金属の取り合いは、多重のトラップロック(traplock)という様式の構造で、軸方向の圧縮力を支えるのに適している。更に金属製の継ぎ手部は、特別な設計のネジ継ぎ手となっている。

CPRの性能は、縮尺モデルや実物大のテストによって確認する事ができ、本論文ではその予備試験の結果について述べる。

CPRの設計には、各種のエンジニアリング能力を持つ研究所や会社が、共通なゴールを目指して協業していく事が必要である。

 

序論

NISTとATPの共同出資によるCPR開発プロジェクトが、現在進められている。プロジェクトの目的は樹脂強化ポリマー複合材のTLP用生産ライザーを開発/設計し、製作/試験と通して信頼性を確認する事である。Lincoln Composites社は主としてCPRのエンジニアリング設計/加工面を担当した。プロジェクトの初期には、3000〜5000フィートの大水深に適する軽量/低コストのCPRを設計する事に注力し、一重ケーシングと二重ケーシング両方のライザーが検討された。

図1は典型的なTLP用生産ライザーシステムの全体を示す。ポリマー複合材料は軽量であるが故に、下側のライザー頂部を引く力が増し、結果的にプラットフォームにかかる荷重を減らす事が出来るので、鋼に代わる材料として脚光を浴びている。更に、より柔らかなCPRは、最上部の吊下げ装置に要求される条件を軽減もしくは不要にするかも知れず、ライザー装置そしてプラットフォームの建造コストを下げる事に役立つであろう。

現時点ではライザーの頂部と底部には、顕著な曲げ応力がCPRにかかる事を防ぐ目的で、

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION