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メキシコ

 

メキシコ造船業

 

近年の趨勢として、1997年も国営造船所は生産時間の大半を船舶の修繕に費やした。Talleres Navales del Golfo S.A.de C.V.(旧Astilleros Unidos de Veracruz)は能力が最大で、したがって大型船の修繕を担当している。修繕に携わっているもう一つの主要ヤードはIndustria Naval del Pacifico S.A.de C.V.(旧Astilleros Unidosde Ensenada)である。この造船所は対米関係できわめて戦略的な位置にあり、マグロ漁船の重要な基地になっている。

タマウリパス、ベラクルス、カンペーチェ、ユカタン、バハ・カリフォルニア、ソノーラ、シナロア、オアハ力の各州にある小規模造船所の多くは、エビ漁船の修繕で事業が成り立っている。

しかし大型船の建造に関しては、ほとんど行われていないといってよい。今日Industria Naval de Mazatlan So A.de C.V.(旧Astilleros Unidos de Mazatlan)、Industria Naval de Ensenada S.A.de C.V.、その他プエルト・ペニャスコ、タンピコ、シウダ・デル・カルメンに立地する小規模造船所だけが実際に小型漁船を建造していて、37隻を新造、64件の改造船又は大規模修繕船工事を実施した。

今回、東京で開催される第21回アジア太平洋造船専門家会議は、わが国の造船所についてより広く知っていただく絶好の機会で、世界の海事産業にとって、一つの選択肢を提供することになると考えられる。

わが国の大型、中型の造船所は、引船、サプライ船、マグロ漁船、エビ漁船等の中小型船の他にも、45,000トン級までの船舶を建造する能力があることを強調したい。すなわちそれにふさわしい設備と、適格な人的資源を具えているということである。

過去25年間に、エビ漁船のほとんどがわが国の国内造船所で建造された。したがって新造船の経験も十分にある。

この事をよく理解していただくために、メキシコの東西両岸に立地する造船所の名鑑を添付する。この名鑑にはこれら造船所の約90%が掲載され、それぞれの重要な特色、能力、一部については新造・修繕の実績も記載されている。

メキシコの海事当局は、商船隊の競争力増強計画の一環として、メキシコ海運の問題点を検討していることもご報告したい。本年末までには、わが国海事産業を拡充するための提案が出され、その魅力と競争力の強化が図られるものと見込まれる。

 

 

 

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