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? 舶用工業の現場及び課題

 

?-1 舶用工業の現状(図?-1〜-3、表?-1参照)

 

我が国舶用工業は、807事業所、35千人の従業員により構成され、ディーゼル機関、発電器、ぎ装品、航海計器等多様な舶用工業製品を生産し、船主・造船所に対して安定的に製品を供給しており、その生産動向、輸出入動向は以下のとおりである。

 

(1)生産動向

我が国舶用工業製品の総生産額は、新造船建造需要の増加に伴って1987年以降、増加してきた。しかしながら、1993年以降は伸び悩んでおり、1995年の総生産額は8,190億円(対前年度比100.9%)と微増したものの、1996年は7,931億円(対前年度比96.8%)と再び減少に転じた。これには、総生産額の3割を占めるディーゼル機関のうち、1万馬力以上の大型ディーゼル機関がコンテナ船建造量の減少等で対前年比10%以上落ち込んだことなどが影響しているものと考えられる。

品目別生産シェアは、舶用内燃機関(舶用ディーゼル機関、火花点火機関等)が30.0%を占め、次いで、ぎ装品(弁・管継手、救命・消防機器等)が15.2%、舶用補助機械(発電器、ポンプ等)が9.2%、航海用機器(レーダー、通信機器等)が8.9%、係船・荷役機械が7.8%、軸系及びプロペラが4.4%となっている。

 

(2)輸出入状況

1996年の舶用工業製品の輸出額は、1,505億円(対前年比105%)と前年より増加となった。なお、輸出額の生産額に占める割合は全体では、19.0%であるが、船外機、電波計器のように輸出比率が、それぞれ90.7%、70.5%と高い品目もある。

品目別シェアは、舶用内燃機関52.0%、航海用機器18.7%、部品・付属品15.4%、補助機械5.9%の順となっている。また、仕向地別では、アジア36.9%、欧州27.4%、北アメリカ23.9%の順となっている。

一方、造船事業者による輸入額は、179億円(対前年比99%)で、これは国内需要の2.3%に相当する額であり、品目別シェアは、ぎ装品34.6%、舶用内燃機関23.3%、補助機械20.5%の順となっている。

 

 

 

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