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4. ウォータジェット推進装置

ウォータジェット推進装置とは,船外から低速で水を取り入れ,水ポンプでエネルギを与えて高速で後方へ噴出せ,そのとき働く推力によって船を推進させる装置である。水ポンプには斜流ポンプ,軸流ポンプ,渦巻ポンプなどが採用される。

ウォータジェット推進装置は三機関からの動力を羽根車に伝達する主軸(インペラ駆動軸),インペラ,案内羽根,ノズル,デフレクタ,リバーサなどから構成される。

船底の吸入口から取り入れた水は吸入管路部を通って,インペラで旋回流のエネルギが与えられ,そしてその旋回流は案内羽根によって軸方向に整流される。インペラからの整流された水はノズルによって,後方へ噴出され,その反力は船体にて受け,船舶の推進力となる。ノズルから噴射された水流は,舵の働きをするデフレクタと言う装置によって左右に転向させ,またリバーサ(バケット)によって水流の方向を前進と反対方向に転向させて,船を後進させたり,リバーサを中立位置にすれば,主機関回転時でも,船体を停止状態にすることができる。ウォータジェット推進装置の特長として,張出軸受,舵などの船体付加物がないため,高速時の船体抵抗で,最も大きい割合を占める付加物抵抗が少く,浮流物などによる損傷の程度がプロペラに比較して軽減される。また,プロペラ船に比較して低騒音,低振動で浅瀬航行が可能で,高速艇に適している。

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