程のことでエンジンが1回転すれば,ピストンは2行程(2ストローク)動いたことになる。又毎回同じ動作を繰り返している場合,ある点を起点にして再び元の起点に戻ってくる迄での1周期のことをサイクルという
ディーゼルエンジンには前項で述べた如く,ピストンが4ストローク動く間,即ちクランク軸が2回転する間に吸入,圧縮,燃焼,排気の1サイクルを完了する4サイクルエンジン(4ストローク1サイクルエンジンの略称)と,ピストンが2ストローク動く間,即ちクランク軸が1回転する間に,1サイクルを完了する2サイクルエンジン(2ストローク1サイクルエンジンの略称)とがある。
3.2 ディーゼルエンジンの作動
1) 4サイクルエンジンの作動
4サイクルエンジンは,1・6図に示す如く,吸入,圧縮,燃焼,排気の各作動を,クランク軸が2回転,即ちピストンの4行程で行っている。下記に4サイクルエンジンの作動及び燃焼について説明する。

? 吸入行程
排気弁が閉じて,吸入弁が開いた状態でピストンが下降すると,シリンダ内に負圧が発生し,空気が吸入される。この時ピストンは,上死点から下死点まで1ストローク動き,クランク軸は1/2回転する。
? 圧縮行程
吸入行程が終わり,吸気弁が閉じてピストンが上昇を始めると,シリンダ内の空気は圧縮され上死点近くになると高温(550〜600℃)高圧(40〜45kgf/cm2)になる。
この行程でピストンは下死点から上死点まで動き,クランク軸は吸入行程の始めから丁度1回転したことになる。