1.4 船尾管および船尾管軸受
1) 船尾管本体
一般に船尾管(スタンチューブ)は鋳鉄製あるいは,鋳鋼製のものが多い,また,比較的大型の船では,とくに船尾管を設けず,船体と一体構造にする場合がある。
2) 船尾管軸受
(1) 海水潤滑軸受
海水潤滑軸受材としては,リグナムバイタ,ゴム,合成樹脂(フェノール樹脂,ナイロン,テフロン等)が使用される。
(イ) リグナムバイタは熱帯地方に成育する自然木で,自己潤滑性に優れた軸受材である。しかし,その含有樹脂分は温度の影響を受け易いので摺動熱を取去るため,船尾管内へ積極的に注水する必要がある。ただし,土砂等で汚濁した水を注水することは軸受材やスリーブの摩耗を促進することになるので,そのような場合は,適当なろ過装置を設ける必要がある。
注水量Q=5〜5.5×Ds2×10-3 m3/hr
Ds=プロペラ軸スリーブ径<35cmφ
また,リグナムバイタを取付ける場合,3・17図に示すように,下半部には木口材を,上半部には板目材を使用することが大切である。