? 比 重……比重そのものは機関の運転には影響しないが,高比重の燃料油は遠心清浄機による水分分離が困難になる。
? 粘 度……ディーゼル機関は良好な燃焼を得るため,適切な粘度の燃料油を使用することが必要で,C重油を使用する場合は加熱をしている。
? 硫黄分……燃料油中の硫黄分は燃焼により亜硫酸ガスとなり,水と化合して硫酸となって各部に腐食を起こす。
? 残留炭素分……多いと燃焼が出来ず燃焼室内に堆積物を増加させる。
? アスファルテン……難燃焼性があるため触火面の近くで燃え,温度上昇をさせる。また増加することにより熱安定性,混合安定性が低下し油中にスラッジを生じ易い。
? 灰 分……燃焼しないため堆積物や摩耗の原因となる。
? 水 分……燃焼不良や堆積物の原因となる。
? バナジュウム,ソデデュウム……高温腐食の原因となる。
? 着火性(セタン価,セタン指数)……機関の始動や円滑な運転に必要。
? 混合安定性……分解油と直留油を混合すると,混合比によってスラッジが多量に発生することがある。
4.3 冷却水
近年では海水でエンジンを直接冷却することは,少なくなってきた。ここでは清水冷却についてのみ注意事項を述べる。
1)冷却水の選定基準
清水であっても機関に使用される清水の選定には注意を要する。冷却水の水質基準を2・15表に示す。