日本財団 図書館


上記2方法にて未だ強度不足を生じるような応力集中個所には2・175図のような高抗張力鋼の各種形状のブロックを嵌め込み周囲にピンを連続して打ち込みピーニングを行う。

172-1.jpg

このマスタロックを更に加えることによって大荷重に耐えるよう施工できる。形状(リングロック,アングルロック等)材質等の仕様は修理条件により決定される。

以上3種類の組合せによりクラックの冷間修理が可能であるが,その他破損が非常に複雑な場合や破損片が小さく復旧困難な場合には該部を一部切り取って整形し,この欠損部分に相当する鋳造片または鋼板片(鋳鉄と鋼板との接合も可能)を挿入して接合し,完全に修理することが出来る。

3.6 穴埋め,肉盛剤

1) マリンテックス

特殊合金微粒子配合のエポキシ化合物で船体の傷・金具を取外した後の穴埋め・隙間埋め・塩蝕電蝕部分の肉盛修理・排気管およびマフラの漏れ・燃料および水タンクの漏れ等の修理に使用する。

アルミニウムと鉄・プラスチックと金属やグラス・金属と木やセラミックス等異質材料でも接合できる。

2) ベロメタル

ベロメタルは,ガソリンタンク,オイルタンク,排水システム,水用配管,スチームライン,ラジエータ,温水タンク,空調ユニットなどの修理をするに際し, システムの中味を空にしないで数分間で補修することができる。ベロメタル急速型は, 5分間で硬化し,油,グリースまたは水等で漏れている表面にも接着する。ベロメタルの耐熱温度は約300℃である。

3) デブコン

デブコンは,鋳物製品の巣埋めから,各種治具の製作,簡易プレス型の製作,パイプの漏れ止め,タンクのライニング,更に船舶・車両・航空機等の応急修理材料として使用されている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION