チピストンに加わる油圧をコントロールすることにより,クラッチの伝達容量を変え,0〜100%スリップさせることができるようになっており,プロペラ軸の回転速度は摩擦係数や温度変化が生じても変らないようにしている。
その方法はオメガバルブに組込まれたオメガピストンの作動によるもので与えられた油圧におけるクラッチの結合度に変化が生じると,オメガピストンはプロペラ軸の回転速度の変化を遠心力として検出し,クラッチピストンに加わる油圧を制御してプロペラ軸の回転速度を一定に保っている。オメガパワーコントロール付油圧クラッチは航行時,トローリング時,あるいは曳航中において機関を高速運転状態にして固定減速比付クラッチと同じように運転できると共に,必要に応じ,可変減速比油圧クラッチとして用いることもできる。
2・164図は,500馬力クラスに用いられているオメガクラッチの断面を示す。潤