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機関構造上の制限より不可能である。従来の無過給機関では排気はシリンダから無駄に大気に放出されているが,排気ガス中には2・139図および2・140図に示すように,燃料の全エネルギの約40%にもおよぶエネルギが含まれており,その中の1/4はさらに大気圧までガスを有効に膨張させることにより機械的に利用できるエネルギである。他の1/4は排気ボイラ等の熱交換器を用いれば,熱源として利用できるエネルギであるが,残りはいかにしても利用不可能なエネルギである。排気ガスを有効に膨張させれば上述のごとく理論上の持つ全エネルギの約10%,すなわち機関出力の約25〜30%が機械的仕事に回収できる可能性がある。この回収可能なエネルギの機関出力に対する割合は一般的には機関出力の増加とともに増加する。過給機はこの回収したエネルギにより給気圧力を上昇させ機関出力の増大を図っている。

(ロ) 過給方式

ディーゼル機関の過給方法には吸排気管の慣性効果を利用したものもあるが,大半は排気タービン過給機によるものである。

 

 

 

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