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ングを圧縮して外方に開く。

ガバナウイエトが遠心力で開くとガバナスピンドルを左側へ動かし,この頭部がレバーを動かして,燃料噴射ポンプの調整桿(ボッシュ形ポンプ)またはレギュレータスピンドル(デッケル形ポンプ)を作動させ,噴射量を少なくする。

また反対に回転速度が下がってガバナウエイトにかかる遠心力が小さくなると,ガバナスプリングの圧力とレギュレータスプリングとの引張り力によってガバナウエイトが閉じて,燃料ポンプの調整樺(ボッシュ形)またはレギュレータスピンドル(デッケル形)を作動させ,燃料の噴射量を多くする。

すなわちガバナウエイトの開きが多くなるほど燃料の噴射量は少なくなり,開きが少なくなる程,噴射量は多くなる。このガバナウエイトの開閉を調整し回転速度を上げ下げさせるために,レギュレータスプリングがある。このスプリングは調整ハンドルを上げるほど力が強くなり,ガバナウエイトは開きにくくなり燃料が多くなって,回転速度は高くなる。反対に調整ハンドルを下げればスプリングの力は弱くなって,ガバナウエイトは開きやすくなり,燃料が少なくなってエンジンの回転速度は低くなる。なお一定回転速度時においてエンジンにかかる負荷の変化による回転速度の変化と調速機の作動には2・109図に示すような関係がある。

回転速度が高くなると→ガバナウエイト開く→噴射量少なくなる→回転速度下がる→ガバナウエイト閉じる→噴射量多くなる→回転速度上がる→ガバナウエイト開く→噴射量少なくなる→回転速度下がる

このような働きにより常にエンジンの回転速度は一定に保たれているのである。しかし各部の調整が悪いと回転速度にむらが発生したり回転速度が上がらないとか,下がらないというような不具合を招くことがあるので,調整は十分におこなわないと正常な運転をすることがむずかしい。

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? 燃料ポンプ付調速機(R.S.V.ガバナ)

集合形燃料噴射ポンプの場合は,2・98図に示すようにポンプの端に付属してポンプと一体で調速機を設けている。原理的には機械式ガバナと同じであるが,燃料噴射量の制限装置,始動時の燃料増量装置およびエンジンのトルク特性を改善するためのトルクスプリング等がコンパクトに組込まれている。

 

 

 

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