等方性材料では,独立な材料定数は以上の3個である。
5)モールの応力円
物体内の応力は,その働く面の位置と方向が与えられて初めて大きさと方向が決まる。
一般には,力の方向は面に対して傾いているので,ベクトル的に分解して,垂直応力とせん断応力に分けて考える。せん断応力が存在しない面に働く垂直応力を主応力といい,その面を主応力面という。主応力面は互いに直交しており,主応力は考える点における最大および最小の垂直応力である。最大せん断応力は主応力面と45度をなす面で生じる。
直径dの棒を力Pで引張ったとき,M[kgf/mm2]の曲げモーメントで曲げたとき,あるいは,T[kgf/mm2]の振リモーメントで振ったときに棒の横断面に生ずる応力の分布を,それぞれ,補・43図に示す。
引張ったときには断面全体に次式で与えられる一様な引張り応力σが生ずる(補・43図(a))。