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方法が採用されているので,殆んど問題化することはないが,以下に示す故障を発生すると,問題となるので早めに対策しなければならない。

1)機関台の不良

(1)据付ベースの不良

機関などを据付ける基礎部分の地盤や構造物などが軟弱であると,機関台をいくら丈夫にしても振動を防ぐことはできないので,基礎となる地盤や構造の強度について十分な検討と対策が必要となる。

(2)機関台不良

共通台板を含めた機関台に,強度不足や溶接歪み変形などが発生すると,変形や歪により軸芯狂いなどを生じて,大きな振動を起こすことがある。このような場合は,機関のクランク軸に曲げを生じ,ジャーナルメタルの摩耗,焼付きのほか,クランクアームのデフレクションが大きくなり,クランク軸折損などの大事故を発生する原因となるので,十分に注意しなければならない。

機関台やブラケットなどに亀裂を生じた場合は,振動が発生するので,十分点検すると共に,その原因を明確にして補強しなければならない。

(3)据付不良

a)オーバーハンギング

機関換装時に,機関台の巾が広過ぎて,大きくオーバーハンギングする場合は機関台を作り直すか,間座を入れて修正し,十分な強度を持たせ,オーバーハンギング状態にならぬようにしなければならない。

過度のオーバーハンギングは振動を助長し,過大な応力を生じて,ブラケットやクランクケースなどに亀裂を発生することがある。

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b)機関台据付面の仕上げとシム調整不良張付ライナなどの上山の仕上精度は,全ての据付ブラケット上面で,大きな段差を生じぬようにすると共に,左右据付面は,水平又は2/100 mm以内のハの字形勾配の範囲内に仕上げる。水平からハ形(ハの字形の逆)になると,シム調整が困難となる。

各据付ブラケット部分のシム厚さを調整して,芯出しを行うが,シムはできるだけ厚いものを数少なく用い調整しなければならない。シム調整が不十分な場合は,各ブラケット締付時にそれぞれのブラケットの応力がバラツキ,振動が発生すると共に,亀裂を生じることがある。またクランクケースにも歪みを生じ軸芯狂いを起

 

 

 

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