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(3)燃料不適

燃料が機関の仕様に合っていなかったり,粘度が違っていたり,水分やその他の含有量が多過ぎる粗悪燃料であったりすると,プランジャやノズルの損傷摩耗が早く,出力不足となり高負荷時に排気ガスが黒色となる。また噴霧不良を生じ不完全燃焼となり,黒色の排気ガスを発生する。

(4)排気抵抗大

排気管の背圧が大きくなると,シリンダ内におけるガス交換がうまくできず,一部の燃焼ガスが残ったり,排気タービンの効率が大巾に低下して,燃焼ガスの排気不良を招き,燃焼が悪化するので,排気ガスが黒色化する

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排気抵抗は,管径に反比例し,曲がり個数や角度及び管長などに正比例する。また消音器の構造によっても大きく異なるので,機関の据付けに当たっては,排気管の計画図を画き,排気抵抗を計算し,許容限度を越えぬように,十分検討しなければならない。

排気抵抗は,排気管の背圧

(バックプレッシャ)を次図に示すように,測定して知ることができる。

排気集合管又は過給機の出口エルボに,プラグが設けられているので,そこに排気ガス取出接手を取付けて,水柱マノメータヘ,パイプを接続して,測定する。排気ガスの熱により, ビニールパイプなどが解けないようにできるだけ,取出口より離れた所へ,マノメータを設置して,途中をビニールパイプで接続すると良い。

(5)圧縮漏れによる燃焼不良

バルブシートの摩耗吹抜け,ストンリングやライナの摩耗による圧縮もれが多い場合は,当然ながら燃焼不良を生じて,排気ガスが黒色化するので,圧縮もれを修復しなければならない。(圧縮圧力の測定方法は187頁参照)

(6)噴射不良による燃焼不良

a)噴射タイミングが早すぎる

シリンダ内の赤熱空気温度が低く,着火遅れが大となり,着火と同時に多量の燃料が一時に急激に燃焼して,燃焼最大圧力が高くなり, ノッキングを起こす。また余りにも早過ぎると,上死点前で最高圧力となるので,逆転し易くなり,そのための出力損失が大きく,円滑な回転が難しく,過負荷運転状態に等しくなり排気ガスが黒色化する。

 

 

 

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