排気抵抗は,管径に反比例し,曲がり個数や角度及び管長などに正比例する。また消音器の構造によっても大きく異なるので,機関の据付けに当たっては,排気管の計画図を画き,排気抵抗を計算し,許容限度を越えぬように,十分検討しなければならない。
排気抵抗は,排気管の背圧
(バックプレッシャ)を次図に示すように,測定して知ることができる。
排気集合管又は過給機の出口エルボに,プラグが設けられているので,そこに排気ガス取出接手を取付けて,水柱マノメータヘ,パイプを接続して,測定する。排気ガスの熱により, ビニールパイプなどが解けないようにできるだけ,取出口より離れた所へ,マノメータを設置して,途中をビニールパイプで接続すると良い。
(5)圧縮漏れによる燃焼不良
バルブシートの摩耗吹抜け,ストンリングやライナの摩耗による圧縮もれが多い場合は,当然ながら燃焼不良を生じて,排気ガスが黒色化するので,圧縮もれを修復しなければならない。(圧縮圧力の測定方法は187頁参照)
(6)噴射不良による燃焼不良
a)噴射タイミングが早すぎる
シリンダ内の赤熱空気温度が低く,着火遅れが大となり,着火と同時に多量の燃料が一時に急激に燃焼して,燃焼最大圧力が高くなり, ノッキングを起こす。また余りにも早過ぎると,上死点前で最高圧力となるので,逆転し易くなり,そのための出力損失が大きく,円滑な回転が難しく,過負荷運転状態に等しくなり排気ガスが黒色化する。