・ 設計,製作,材料の不良
・ 曲げ力の過大
・ ねじり力の過大
が有るが,使用上の原因として考えられるものに次のものがある。
a)主軸受メタルの摩耗が不揃いとなったり,スラスト軸受の摩耗により,スキマが大きくなり,クランクアームの開閉が大きいとき。
b)異常燃焼や長時間の過負荷運転で軸に大きな衝撃力が働くとき。
c)機関の据付状態が変化し,デフレクションが過大になったとき。
d)各シリンダの出力が不揃いとなり,軸に働くねじり力が許容値を超えたとき。
e)ねじり振動の危険回転速度で長時間運転したとき。
f)急回転を起こし,大きな遠心力と慣性力による曲げの力を受けたとき。
g)中小形機関における前部動力取出しの横引き力が過大なとき。
クランク軸が折損した場合,これらの使用条件を検討するとともに,メーカと相談して整備に万全を期すことが必要である。
2)連接棒
連接棒は圧縮,曲げ,引張りの変動荷重を受け,しかも高速運動を繰返し,熱や振動も受ける重要な部品である。それだけに,取扱いには充分注意し,作業中に傷を付ける様なことがあってはならない。
整備上,最も留意すべきことは,運接棒ボルトの取扱いと締付けである。絶対に傷を付けない様にするとともに,マニュアル通り締付けること。
(1)点検および整備
3・6表 連接棒の点検,整備による。