日本財団 図書館


002-1.gif

 

概要

 

■要旨

運輸省が策定した「90年代観光振興行動計画(ツーリズム・アクション・プログラム=TAP90's」に基づく第14回観光立県推進地方会議「全国大会」が平成10年2月9日、10日の両日、兵庫県神戸市で開催された。

今回の会議は、観光立県推進中央会議の委員、これまでに観光立県推進地方会議を開催した29道府県の代表を始め、官民の幅広い関係者約170名が出席し、観光立県推進地方会議の「全国大会」として開催された。

会議では、これまで約10年間の観光立県推進運動を総括したうえで、今後の新しい展開方針について討議が行われた。その結果、「『観光立県推進運動』のこれまでの総括と21世紀に向けての新しい展開方針」(以下「新しい展開方針」という。)が採択された。これにより平成10年度以降開催する観光立県推進地方会議は、「広域連携観光振興会議(The Conference for Tourism Promotion by Wide-Area Co-operation in the 21st Century:WAC21)」という名称で、原則として地方ブロック単位で開催し、「広域連携型」、「地方主体型」及び「イベント連携・実体験重視型」の開催方式によることとなった。

 

■日程概要

観光立県推進地方会議「全国大会」は、神戸市内のホテルにおいて、2日間の日程で行われた。

第1日目は開会に続き、まず、これまでの「観光立県推進運動」の活動状況を運輸省から紹介し、さらに地方会議既開催県の代表として岐阜県及び香川県からTAP活動による成果が報告された。続いて、運輸省が昨年実施したTAPの新しい展開方針に関するアンケート調査結果と昨年11月の中央会議での討議結果が事務局から報告され、これをベースとして取りまとめられた「新しい展開方針」(報告書案)について審議がなされた。

第2日目には、前日の審議を踏まえて修正された報告書案についてさらに審議を重ねた。その結果、今回の「全国大会」の報告書として「新しい展開方針」が満場一致で採択された。

このあと、地元の兵庫県及び神戸市から震災後の復興状況を盛り込んだ観光PRが行われ、さらに、今春開通する明石海峡大橋との関連で徳島、愛媛両県からも観光PRが行われた。

また、午後には明石海峡大橋付近までクルーズ船で航行する等のエクスカーションが行われた。

 

■報告書概要

 

報告書は、

1. 「90年代観光振興行動計画」(TAP90's)の策定目的

2. TAP90'sの活動の成果

3. 21世紀に向けての観光の新しい課題

4. 「観光立県推進運動」の新しい展開方針

といった4つの柱から構成されている。

昭和63年4月に策定されたTAP90'sに基づく観光立県推進会議は、平成9年11月までに16回の中央会議と13回の地方会議が開催されてきたが、報告書では、まずTAP90'sの策定目的を改めて確認した上、これまで10年近くにわたって実施してきた観光立県推進運動の成果を検証し、21世紀に向けての観光の新しい課題を取り上げている。例えば、観光立県推進運動のこれまでの成果については、?地域連携による広域的取組みの促進、?観光の役割に対する意識改革の促進、?関係者間のコミュニケーションの促進、?観光振興のための効果的ノウハウの吸収、といった点が掲げられ、TAPの果たした役割の大きさが示されている。

そして、21世紀に向けての観光の新しい課題としては、?国際競争力のある観光地づくり、?多様なニーズに応える新しい観光魅力の創出、?外国人観光客の受入体制の整備、?「環境」や「バリアフリー」等新しい課題への対応、?「住んでよし、訪ねてよし」の観光地づくり、?観光関連の情報提供システムの充実、?観光客の円滑な移動手段確保のための広域的検討、といった点が取り上げられ、今後、官民一体となって対応していくべきとしている。

以上のようなこれまでのTAPの成果と今後の新しい課題を踏まえ、取りまとめたのが「新しい展開方針」である。その内容は、これまで、観光立県推進地方会議は隣接する2〜3県単位で開催していたが、今後、会議の名称を「広域連携観光振興会議」(WAC21)とし、原則として地方ブロック単位で開催し、「広域連携型」、「地方主体型」及び「イベント連携・実体験重視型」の開催方式によることとなった。この会議で、当該ブロックの

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION