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4-4 すまい方調査

 

19軒の家屋調査と平行して、20軒の居住者の皆さんにすまい方の調査を行った。次頁よりその20軒の概要をのせているが、それをまとめると次のようになる。

 

?居住者の属性

それぞれの家での当主をつとめるのはほとんどが高齢者である。その形は4世代にまで及ぶところなど3世代が普通である。しかしながら、後継ぎが地元に残らず、高齢者夫婦世帯や高齢単身となった場合も多くみられる。柏原のコミュニティの中で高齢者単身の方も元気にすごされているが、その実態は地域支援が不可欠なように思われる。

 

?世帯の職業

昔は柏原宿の中で商売をされていた人が多いが、今は通勤それも岐阜方面がほとんどである。また、多くが農業であり、請負農業も多いが、農業、林業にかかわっている人が多いことも柏原宿の特性といえる。

 

?建物

調査したものには江戸期から現代まで種々あるが、そのほとんどが伝統的構法で建てられている。それも多くが自分の山の木で最近まで建設されているのが大きな特徴である。

 

?すまい方

すまい方は千差万別あるが、伝統的建物をうまく改造している例が多い。但し、水廻りや土間改造が主で、抜本的解決はされていないようである。明るさや機能的欠陥を指摘する声は多い。

一方、緑や水とのつきあい方はうまい。その辺りを自然に享受している。

 

?庭の重要性

庭に対する思い入れは深い。周辺が緑に恵まれているにもかかわらず自分の庭の手入れには多くの労力をかけているようだ。

 

?愛着と将来の展望

人それぞれに住まいに対する愛着は深い。古いものを守りたいという愛着も強い。但し、それは後継ぎ等若い人の住み続けることにかかっているようだ。何とかして、若者がとどまるようにというのが皆の願いと思われた。

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